番外コラム:花岡、お一人様のすゝめ初回特別編【お一人様への軌跡(前編)】
花岡です。
春も近付いてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしですか?
今回のコラムは特別編と題しまして、 花岡が手記形式でお送り致します。
「一人で生きていけそう」とよく形容される私ですが、案外そんなこともないよという手記です。
ひとりってこわい。
ちょっとこの辺を掘り下げてみました。
今回は初回なので、私が『お一人様』を克服し始めたきっかけから語っていこうと思います。
よろしければ最後までどうぞお付き合い下さいませ。
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まず、私はつい2~3年前まで『お一人様』 というものがとても苦手だった。
厳密に言うと、『初○○』というものが苦手だった。
初めての場所に一人で入れない、初めてのことを一人で出来ない、 初めてのものを一人で扱えない。
行動力と向上心の欠如である。
中学生の頃、友達と入った初Wendy'sで、 注文の仕方が分からずに一人何も食べないで店を出たこともある。
当時マクドナルドですら一人で入れなかった私にとって、 Wendy'sの敷居は高すぎた。
は? と思われる方も多々居るかと思うが、 当時の私にはとにかく高度なスキルを要するものだったのである。
実は25歳くらいまでファミレスすら一人では入れなかった。
確か初めて一人ファミレスをしたのは、 鐸木さんと待ち合わせをしていたら鐸木さんが一時間も遅れることになりやがって「先にガストでも入ってて!」 とかメッセージを寄こしてきて、当時の私は「 どうやって一人でファミレスになんか入るんだよ無責任なヤツめそろそろ遅刻癖治せや」と途方に暮れた記憶がある。
とにかく私は『一人○○』『初○○』、特に『初一人○○』 が大の苦手な人種だった。
一人って恐くないな、と思い始めたのは、3年前、 一人で三重県へ行ったことがきっかけだったように思う。
何故三重県まで行ったのかと言うと、 エンブの卒業公演を担当して下さったFUKAIPRODUCE羽衣の三重公演があったからだ。
私たちの為に書き下ろして下さった新作を、 三重県でのみ劇団員の方々で上演したのである。
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この公演を、今度は羽衣の劇団員の方々のみで打つということで、同期たちはこぞって三重を目指した。
かくして私も三重に行こうと決意したのであるが、最初は戦々恐々であった。
一人で新幹線とホテルのパックを手配し、 とりあえずクレジットカードで切って準備は整った。 整ってしまった。
手のひらの中で指先ワンタップで、 とても小さな世界で大きな行動が整ってしまった。
行かなくては。
出発の前日、夜。私は後悔に明け暮れていた。
なんで手配しちゃったんだろう。
一人で三重県なんて行けるはずない。 行っても何をすれば良いのか皆目分からない。
一人で新幹線にも乗ったことないし、 一人でホテルに泊まったこともない。 ご飯なんてどこで食べればいいんだ。
どうしよう。 まるで一人でだだっ広い荒野に放り出される気持ちだった。
出発の朝。東京駅でさっそく迷う。
新幹線乗り場が分からない。ふと目を上げるときちんと案内板が出ていたのに、気付くのに20分は要した。私は常に足元ばかり見ていた。
なんとか新幹線に乗り込んで、実はそこからの記憶が曖昧だ。気が付いたら会場に着いていた。
そこで同期たちとも落ち合う事が出来て、心底安堵した。
泊まりで来ていた同期たちと、翌日の午前中に伊勢神宮へ行ってみようという話になる。
社寺仏閣、大好き。私もその話に乗った。
とりあえず津駅に10時とか、そんな感じで話がまとまった。
その後、ホテルにチェックイン。初、一人ホテルチェックイン。
しかしこの頃になると、何だかどうにでもなれやと開き直り始めていたので、案外難なくチェックイン出来た。
ここで私は過ちに気付く。手配した部屋が禁煙だった。やっちまった。
一晩禁煙を強いられ、翌日の昼の新幹線では帰路に着く、予定だった。
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本日はここまででお暇します。
続きはまた後日。