(タイトルは特に決めていない)

京央惨事(ケイオウサンジ)コラム過去ログ書庫。

番外コラム:花岡、お一人様のすゝめ初回特別編【お一人様への軌跡(後編)】

 

花岡です。
今回は特別編コラム、後編です。


前編はこちら→http://ko3z.hatenablog.com/entry/2018/03/19/132700


果たして花岡は三重の地でどうなってしまうのか。
最後までお楽しみ頂ければ幸いです。

 

 


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翌日、朝。バスで伊勢神宮へ向かった。
伊勢神宮伊勢神宮

 

 

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伊勢神宮外宮の鳥居。ここから参拝していきます。

 

 

自然豊かな境内、荘厳な佇まい、澄んだ空気、みんなで回るお土産屋さんや食べ歩き、お座敷の料理屋さんで囲むお重。楽しかった。テンションだだ上がりであった。


伊勢神宮を満喫後、ふと時計を見る。


……あれ、新幹線、間に合わなくね?


急いで調べると、指定席はその時間のその新幹線に乗らなければ座れないが、その日中のチケットであれば自由席なら乗れるらしかった。


ここで私の中の何かのスイッチが入る。


よし、このまま一日使って三重県観光しよう。


実は、ずっと気になっていたところがあった。三重県まで来たら寄ってみたかった。
地中海村、という場所がある。そこは地区全体がリゾート地で、観光名所なのだ。文字通り地中海風の街並みが広がる場所である。

 

 

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本物の地中海沿岸の街。

 

 

それまでは考えられなかった、お一人様、の旅に出た。


ワンマン電車に揺られて、確か二時間はかかったと思う。
地中海村の最寄り駅からタクシーに乗り込み、地中海村に行きたい、と言ったら、「じゃあ帰りにまた連絡下さいね。お迎えに行きますよ。あそこはバスもなくて、車でしか行けない場所だから」と、運転手のおばちゃまが名刺を下さった。旅の出会いである。


地中海村は、気持ちの良い所だった。真っ白な壁。三角の屋根。ただし海だけは青ではなく灰色だった。

 

 

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日本のエセ地中海。

 


街並みをブラブラして、家にお酒の宅配を頼んで、カフェでパンケーキを食べて、お土産を買って、行きで乗せてくれたタクシーのおばちゃまに電話をかけて、迎えに来てもらった。
そして帰路に着いた。


帰りのワンマン電車の中、私は何も恐くなかった。一人で出来るじゃん状態である。
何をあんなに億劫がっていたのか、今まで自分の足を鈍らせていたものは何だったのか、まるで分からないくらい楽しかった。
月並みに形容するなら、強くなった気がした。


ほんの八時間程度の出来事である。一人で見知らぬ土地を歩いた。それだけのことが、どうして出来なかったのか。裏を返せば、たったそれだけのことで世界は広がった。


夕方前には帰るよ、と言い残して家を出て来たもので、両親は少しざわついていたそうだ。
結局私が自宅に帰ってきたのは、日付を跨いでからだった。


こうして私のお一人様チャレンジは幕を開けたのである。


お一人様は、やってみれば存外気楽である。


私は基本的に恐らく人好きなのだが、同じくらい人嫌いだ。好きな人と過ごす時間は楽しいが、嫌いな人と過ごす時間は何よりも苦痛だ。
今でもお一人様が至高というわけではない。好きな人、一緒にいて楽しい人と過ごせるならそっちの方が良いに超したことはなのだが、同じ時間を共有するのに苦痛な人を選ぶくらいなら一人の方が気楽だ。


以前までは一人=自宅しか選択肢がなかったが、今では一人=カラオケ・ファミレス・喫茶店・ショッピング・映画・焼肉・スパ(岩盤浴)・観光などなど、少しずつだが行動範囲が増えている。


実は今年の春、一人で京都旅行も企画したが、お金と相談して断念した。
来年こそは一人京都旅行を実行したいものである。

 


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以上、花岡お一人様までの、ほんの最初の一歩でした。


最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。