『テースターズ』座談会・打上げ編
2019年が終わろうとしています。鐸木です。
前回公演が冬の終わりで、また冬がやってきている。早いですね。
さささ。
3月公演『テースターズ』をYOUTUBEにてアップしました。
下記から再生リストに飛べます。観ていただけたら幸いです。
2月までの期間限定公開とさせていただいていますので、
今回の動画は、その昔AD時代にお世話になった林芳昌さんとごっしーこと五嶋美咲さんに撮影&編集ご協力いただきました。
定点だと見えづらい箇所があるということで、結果カメラ2台+スマホ1台のまさかの3視点撮影…! 映画か!? とても見やすく編集していただきました。
PVはごっしー作です。非常に話の要点がよく分かります。なるほど、そういう話だったのかと思いました(作者です)
お二人、本当にありがとうございました!
さてさて、今回は
動画のアップに合わせまして『テースターズ座談会・打上げ編」をお送りします。
(出し損ねてしまっていたことは秘密です)
本編と合わせて読んでもらえたら超楽しめます。
というわけで以下、ネタバレを大いに含みます。
まだ未見の方、本編観てからの方が楽しめると思いますので良かったら一度ご覧ください。これ本当!確実!
あ、公演観てくださった方も林さんとごっしーの編集版『テースターズ』はまたひと味違うので観てってくださいね。
というわけで、以下ネタバレです!
* * * *
2019年3月25日 だいたい21時ごろ
都内・某所
メンバー紹介
のすり:では……『テースターズ』本日終了しました。 お疲れ様でしたー!
一 同:お疲れ様でしたーっ!
(パチパチパチ……)
ひろ海:食べて良いですかっ!
南帆子:どうぞどうぞ!
一 同:いえーい。
のすり:すみません、早速ですが感想大会と行きたいと思います。
各 々:はーい(もぐもぐ)
なつこ:(食べる勢いが)止まらない(笑)
のすり:お腹空いてるみんな。
南帆子:お腹空いた。
なつこ:塩分がね(欲しい)
南帆子:えりこさんめっちゃ、めっちゃ飯食ってる(笑)
のすり:めっちゃラーメン食ってる(笑)
えりこ:おいしいんですよね(もぐもぐ)
のすり:ではざっくりした質問を投げて行きます。 今回いかがでしたでしょうか?
南帆子:ざっくりすぎん?
なつこ:あっという間でしたね。稽古が始まってからは、 結構タイトだったんだけど……あ、私の生活と稽古のね、 スケジュールが。あれよあれよでもう、終わっちゃった感じ。
ひろ海:私もタイトだった。(※ 加藤は稽古中に二人芝居の本番があった)
なつこ:ねー(笑)
南帆子:本当に……。
のすり:タイトな中で、やって頂いて……。
南帆子:本番が二週間続きってことですもんね。
ひろ海:初めてです、そこまで詰まってたのは。
のすり:そんな中でやって頂いて本当に……。
ひろ海:いやいやいや。楽しかったです。
南帆子:ありがとうございました。
のすり:今回(お客様に)言われたのが、前回に比べて、笑いどころが増えたと言われて。『 おくやみ(仮)』の時と、今回の『テースターズ』で、どっちを「 面白い」と言うかで意見が分かれた印象で。
南帆子:分かれたね。
ひろ海:なんか回によって、お客様が「面白い」 と思った部分が違ったのが、如実に分かった公演というか。 今日のお客様と昨日のお客様で、笑いどころが違うというか。
なつこ:「今日は男性の笑いだったね」とか。
ひろ海:「今日は大人の女性の笑いだったね」とか。
えりこ:結構序盤からね、笑いが分かれてたというか。
ひろ海:でも必ず笑って下さるのは、「何の話?」のとこ(笑)
一 同:(笑)
南帆子:あそこ百発百中だった!
なつこ:あと最後の、指輪取るところよね。
のすり:カネシロさんが色々取って行きましたね(笑)
ひろ海:美味しい役どころを頂いて。
のすり:今回本当に多かった意見が「 役者のみなさんが適役だった」と。「すごい役と合ってた」 ということを言って頂けて。本当に皆さん、 自分のことのようにやって頂けて良かったなと思います。
えりこ:キャストが決まってから、脚本は書いたんですか?
のすり:今回はそうですね。ほぼ。
えりこ:なんとなくのイメージはあって……?
のすり:イメージがあって、そこに当て書きというか。「 これはやろう」っていう展開は決めつつ役を書きながら、 役者さんにも合わせてというか。そんな感じで。
えりこ:役者を見ながらってことやね。
のすり:そうですね、調整しつつ書いた感じです。
のすり:今回、「これは大変だった!」 ってこととかありましたか?
えりこ:私段取りかな……段取りと小道具。
なつこ:一番大変でしたもんね……。
えりこ:いや、もっとスムーズに出来ないといけないですけど……。
のすり・南帆子:いやいやいや……。
なつこ:まず作るのがね、結構大変……。
南帆子:圧倒的にナマカベさんの小道具類が多いんですよね。
ひろ海:圧倒的(笑)
えりこ:まあそれはね、セミナーの先生やから(笑)
なつこ:それをちゃんと、 自分で用意して下さるっていう信頼感がすごい。
えりこ:いやいやいや……。
のすり:セミナーシーン、完璧でしたよね(笑)
えりこ:いや!
のすり:普通に「へー」って聞いちゃうんですよね。
加 藤:お客様のアンケートとかでも、「 本当にセミナーを受けてるみたいで、 役者さんが拍手する時に自分も拍手しそうになりました」 って感想があったりとか。
伊 藤:そうなんですか!?
後 藤:あったあった。
のすり:嬉しい。
伊 藤:嬉しいー……。
加 藤:この、会場のこの、 ステージが客席と地続きでっていう空間も良かったのかなっていう 感じはしますね。
南帆子:お客様もセミナーを受けてる気分というか。
加 藤:そういうところがすごく多かった気はします。
のすり:のぶくんは男一人でしたけど。大丈夫でしたか(笑)?
延 原:いやー……。
一 同:(笑)
延 原:いや、本当に新鮮でしたね。 今までにこういう場はなかったんで。逆に、 男だけの舞台はやったことあるんですけど…… なんていうんでうかね、でも楽しかったです。
のすり:それは良かった。
南帆子:色々勉強したね(笑)
延 原:そうっすねー(笑)
一 同:(笑)
延 原:色々指摘して頂き……。
南帆子:まず本番前はトイレに行っとくことと、 小道具の確認は全部自分ですることと、衣装も確認することと。
延 原:(しおらしく)ハイ。
ひろ海:あとあれね、寝る前はアラームかけることね?(※ この日延原は集合時間に遅刻した)
延 原:これからはもうガッツリ、3個くらいかけます……!
なつこ:3個(笑)
のすり:いっぱいお母さんとお姉さんがいてね(笑)
延 原:本当にそんな感じでした(笑)
えりこ:まさかね、ソワレだけの日に遅刻するっていう(笑)
なつこ:そうだよね、千秋楽だけに!
延 原:本当にすみません……。
ひろ海:マチネ回があって、朝9時半集合とかじゃない日に(笑)
えりこ:いつもはね、逆に早めに来てるのにね。
なつこ:そうよね。
延 原:なんか……今日は遅めでいいんだなっていう…… 安心しちゃったんですかね……。
えりこ:二度寝したん? 花岡さんのLINEで気付いたん?
延 原:いや、その時にはちょっと起きてて……。
なつこ:ちょっとじゃダメだよ(笑)
えりこ:ちょっとって何(笑)
延 原:いや、その時には起きてたんです! で……ちょっと……ヤベッ、みたいな……。
ひろ海:アウトだから(笑)
えりこ:あの時点で時間過ぎてるからね(笑)!?
延 原:すみません……!
南帆子:遅刻するって分かった時点で、「申し訳ございません」 っていう連絡入れるのよ? ね? わかった? みんなの反応が来てから返信する、じゃないのよ?
延 原:ハイ……。
のすり:まあそれはさておきね(笑)
のすり:なんか今回、お菓子の時間が楽しかったですね。お茶会になって。
ひろ海:なんかあの時間が、 この談話室の雰囲気を作ったところもあったんじゃないかなって。
なつこ:確かに。
ひろ海:みんなチョコが好きで良かった(笑)
一 同:(笑)
えりこ:休憩時間楽しかった。
南帆子:トッポ率高かったですね。
ひろ海:あそこで距離も縮まったし、良かったですよね。 セミナーではなくても、 こういう風に談話室でお話したことあるんじゃないかなってバックボーンを作れたというか。
えりこ:座組で飲みに行く時間とかもあまりなかったから、 あの時間でちょっとお喋り出来て。
のすり:あれがちょうど良かったっていう感じはありますね。
えりこ:いつもあんな感じなるんですか? おやつ大会みたいな(笑)
南帆子:おやつ……(笑)
のすり:基本的に、うちら飲みに行かないんですよ。 お酒あんま飲めないんで……。
南帆子:飲まないんですよね、京央惨事は……。
のすり:で、おやつ大会になることは……。
南帆子:たまになるけど、 あそこまでがっつりお茶会になることは少ないです。
えりこ:毎回誰かがね、お菓子とか珍しいもの持ってくるっていう( 笑)
のすり:本当に今回、皆さんの気配りが嬉しかったなって(笑)
ひろ海:美味しそうなもの見つけると、「みんなに食べてもらいたい」 って気になっちゃうんですよね(笑)
のすり:優しい……!
延 原:あの時間で、「女の子になった気分てこんな感じなのかな」 って思いました。
一 同:あー。
のすり:女子の中に混じって。
延 原:最初はやっぱり、「わ、女の子ばっかり……」 って思っちゃって……。
えりこ:「女の子」(笑)
ひろ海:「女性」ね?
なつこ:「女の子」に頷いちゃった(笑)
一 同:(笑)
延 原:本当に、女子会に放り込まれた感覚で…… 大丈夫かなって不安もあったんですけど。でも自分もそこで、 お菓子とか持って行って参加して、「あ、こういう感じか」って。
のすり:仲間入りみたいな。
延 原:そうですね、サハラもこんな気持ちなのかなって。
南帆子:そういう役だったもんね。確かに。
のすり: 稽古から本番になって、何か変わった部分てありますか?
えりこ:やっぱり感覚っていうか、 稽古の時間にそんなに通し出来なかったから、ここ(小屋) で通していくっていうか。でも初日に「 絶対千秋楽でもっとよくなるわ」って言うのは感じた。
のすり:観ていて、皆さんの息の合い方とか関係性とか。 自然に出る楽しそうな感じとかが千秋楽で一番感じたかなって思います。
南帆子:楽しかったね。
ひろ海:お客様の反応もすごく、温かくて。
延 原:僕も昨日来て下さったお客さん、すごい気に入ってくれて。
えりこ:そういうお客さんが、 今度はまたうちらの別の舞台に観に来てくれたりとかね。
南帆子:広がっていくと嬉しいですね。
ひろ海:その回ごとでお客さんの反応が違ったのは、 なんか本当嬉しかったですよね。面白かった。
なつこ:うんうん。
南帆子:後藤さんと加藤さんは、 一幕で暗転中に出て行って板付きだったじゃないですか。 その出て行く段階で、「今日の空気感」が分かるそうですよ、 お二人。
伊 藤:え、お客さんの?
加 藤:お客さんの感じが。なんか、昨日の夜とかドッカーン! と来たじゃないですか。あの時も、最初から
のすり:へーっ!
えりこ:今日ね3場の占いのシーン。 花岡さんがペンで書こうと思ったら、ペン出なくて(笑)
南帆子:そう(笑)
えりこ:でも割と前やから、前列のお客さんとか絶対見てる人おるし、 見えるから! 「赤いペンで書いてもらえます?」って(笑)
一 同:(笑)
南帆子:いや書いてる風で乗り越えようって思って! 書いたテイで、ジェスチャーで良いかなって思ったら……。
えりこ:いやこのまま行くつもりなんやろなって思って! でもあかんて、最前の人とかめっちゃ見てたもん(笑)!!
一 同:(爆)
えりこ:「すみません、 私には見えない字なので赤で書いてもらえますか……?」って。
南帆子:だからボソボソッて「 心の綺麗な方には見えるんですけどね……」って返して。
えりこ:それ聞こえてへんかった(笑)!!
一 同:(爆)
延 原:アンビヤアンスで書いたテイ(笑)
南帆子:そうそう(笑)
えりこ:あそこ楽しかったよね(笑)
南帆子:あそこめっちゃ楽しいですね(笑)
えりこ:文字書けなかったりとかして……。
南帆子:私が「孤独」って書けなくて。
えりこ:「独どく」って書いてて「ドクドク」……!?
一 同:(爆)
えりこ:「ど、どう言う意味でしょうか……!?」って。
のすり:なんなんだ(笑)
えりこ:「ちょっと私には高度過ぎてわかりません……!」って(笑)
南帆子:全部ツッコんでくれるんですよ!!
えりこ:だから私も遊んで、「水星があなたの運命星です」 って花岡さんが書いたヤツを「(神妙に)みず、ぼし……」 って言ってみたりとか。
南帆子:「(神妙に)違います。すいせい、です」とか(笑)
えりこ:「あ、水星ですねっ」って(笑)
のすり:遊んでんなー。
えりこ:遊んでたらカネシロさんが走って来るところになって「 ヤベッ」ってなったりとか。
一 同:(笑)
えりこ:このシーンは私は浄化されてるんで。浄化と言うか、 新しいとこに行ってるけど(笑)
ひろ海:今日最後の紙飛行機が、スコーンッ!!! てこっちに(笑)
なつこ:びっくりしたあれ(笑)
ひろ海:あれ、のすりさんいつもと違う位置から投げたましたよね?
南帆子:(笑)
のすり:多分私、その意識もなく投げてます……。
ひろ海:「今日そこから投げる!?」 ってちょっと思ってたらスコーンッ!! とこっちに飛んできて(笑)
のすり:本当、私周りが見えないんですホント、すみません……。
ひろ海:「飛んできたっ」っと思って「……これは、私か? 私が開くべきか……?」と。
一 同:(爆)
ひろ海:「稽古でやったことないけど開かなきゃ……! あ、のぶくんが『ボランティア』 の字が見えるように出してって言われてたな、よしっ!!」 ってぶっつけで。*1
えりこ:一回もその役目やったことないのに(笑)
ひろ海:「でもこの位置は私だよね!?」って思いながら。
えりこ:あの瞬間のみんなの緊張感(笑)
のすり:本当ごめんなさい……!
えりこ:でも意外と見やすい位置だった(笑)
ひろ海:なんかそれもそれで、カネシロが『ボランティア』 のチラシを開いてから、最後に指輪を盗っていくっていうのも、 意味合いが変わってきますよね。含みが出来た感じがして。
のすり:予期せぬモノが生まれた……。
ひろ海:頂いちゃいました(笑)
延 原:飛行機、本番入ってから綺麗に舞うようになりましたよね。
ひろ海:本番中綺麗に、スー……ッ、って。
南帆子:折り方?
のすり:そう、綺麗に飛ぶ折り方を見付けたんです。 それが今日は一回カーブして……。
一 同:(笑)
ひろ海:あれはなかなかライブな感じでしたね(笑)
ひろ海:でも私はとにかく、ネクタイピンが、 無事に良いところに落ち続けてくれたのが。
なつこ:今日も良かったね。
えりこ:いつも良い位置やった。
南帆子:すごかったですねアレ。
ひろ海:稽古の時はなかなか、自分の足元に落っこちちゃったり、 机の下に入り込んじゃったりあったんですけど。
なつこ:まあ最初のうちはね。
えりこ:もうそんなイメージない。 いっつも百発百中綺麗なところに落ちてた印象。
ひろ海:あそこが一番難しかったです、私の中では(笑) 台詞もわやわやってなっちゃうことあったから、意識して「 出さなきゃ……!」っていう。 そこをお客さんから指摘されたらどうしよって心配でした。
延 原:全然そんなことなかったです。
のすり:百発百中でしたよ。
ひろ海:いい具合に真ん中の方に行ってくれて良かった(笑)
のすり:脚本上、「ポケットからネクタイピンが落ちる」 ってト書きだけで……(笑)
延 原:でもそのシーンで笑ってくれるお客様もいましたよね。
ひろ海:なんかね、空気感?
延 原:そこから今日は最後の「わかるーーーーー」でドカンと(笑)
えりこ:「わかるーーーーーっ」
一 同:(笑)
のすり:「わかる」よかったな(笑)
ひろ海:カネシロ「やめられなくてええええ」ナマカベ「 わかるーーーーー」のこれ(笑)
南帆子:小屋入りしてから生まれましたよね(笑)
えりこ:なんかね、やってみた(笑)
のすり:面白かったです(笑) 本当京央惨事って、いつも静かなんですよ。結構、 笑っちゃいけないって思いながら観ているお客様が多くて。 笑いとかあまり起きないんですよね。
南帆子:起きたとしても、「クスクス……」くらいの。こんなに「 笑ったわー」「爆笑だわー」って感想、頂いたの初めてで。
のすり:でもそれもやっぱり、 皆さんのお力のおかげだと思います。なんかね、 こういうことも出来るんだなって思いました。
南帆子:京央的にね、新しいタイプ。
伊 藤:脚本的には、別にそんなに狙ってなく?
のすり:今回は皆に何かしら問題ある要素を持たせようって意識して書き方しました。 そしたら結果こういうことになったっていう。
南帆子:結果(笑)
伊 藤:集合住宅で……今こうしてこうやっているだけでも、 皆何かね、抱えててね。こうやって楽しく喋ってるけど……とか、 あるもんね。
のすり:そもそも、今までで一番登場人物の人数が多いんです、 今回。
伊 藤:え、そうなんや!?
のすり:今まで二人~三人で。
南帆子:二人→一人→三人、で今回五人でした。
一 同:へーっ。
のすり:五人て多い方なんです、 京央では(笑) だからこんなことも出来るんだなって気付きました。
伊 藤:多くなるとね。
南帆子:(京央)二人共通の知り合いのお客様とかも、「 のすりさんて多人数でも脚本書けるんですね」 って言われたりとか。少人数の印象が大きかったみたいで。
伊 藤:え、最初は花岡さんが一人芝居やったってこと?
南帆子:最初は、二人芝居で。 それこそ加藤さん後藤さんとお会いしたきっかけになった二人芝居 で、『京央惨事』としてやって。 その後にフェスで一人芝居を一回やって、その後に、 第一回本公演と言う形で三人芝居で。これが一応、 二回目なんです。
のすり:本公演としては二回目なんです。
南帆子:その前にもちょくちょく、 本当小さなイベントに10分~ 15分くらいの芝居で参加したりとか。
のすり:もうそう言うのも含めてナンバリングがややこしいんで、 もうしないっていう。
南帆子:面倒くさいらしいです(笑)
一 同:(笑)
のすり:……ではでは、こんなところで。
南帆子:こんなところ(笑)
のすり:こんなところで。
南帆子:じゃあきちんと締めて下さいよ(笑)
のすり:…… 締めろって言われると何言えばいいか分からない……。
一 同:(笑)
のすり:あの……今回は本当に、 ありがとうございました!
一 同:ありがとうございましたー!
のすり:皆さまこれからも宜しければ、よろしくお願いします。
南帆子:宜しくお願いします。是非。
一 同:お願いしまーす。
のすり:楽しかったです。では。
一 同:ありがとうございましたーっ!!!
のすり:『テースターズ』、終わり!
* * *
ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回の京央惨事は3月を予定しております。
しばしお時間ください。ではでは。
*1:紙飛行機の行方:千秋楽。下手の延原が拾うはずの紙飛行機が鐸木が投げに失敗したことにより上手にいる加藤の方へ。皆が凍りつく中、とっさの判断で加藤が紙飛行機を拾い処理してくれたのだ。感謝…(すみません)
【花岡】選別する自由【徒然】
ふ、と。ここから先に書くことは、私(花岡)個人の気持ちです。
例えば生活必需品。食料や消耗品は、ないと生きていけないのでお金を出して買う。トイレットペーパーも洗剤や石鹸もお米もパンも野菜も、もしくは電気やガスや水道。
生活する上でなくてはならないものにお金を払うのは当然、というかどうしようもないことで、お金を払わなければ手に入らず、手に入らなければ生活できないので買う。
では演劇はどうだろう。
演劇に関わらず、芸術作品というものは、全くなくても生活には困らない。そんなものに触れなくたって生きていけるし、なんならあっても邪魔になるだけかも知れない。
だけど私たちは、それらをお金を払って頂いた対価として提供している。
生活に全く不必要なものを。
この、生活に不必要なものにお金を出す、という行為は、お金を出す側が選別することができる。
なくても困らないものであるからこそ、それに対して本当にお金を出してまで見る価値が、聞く価値が、読む価値が、手に入れる価値があるものなのかどうかは、消費側の判断に委ねられる。
選別していい、と私は思う。
どの演劇作品を観に行くのか、どんな映画を観るのか、どんな本を読むのか、どんな美術館でどんな趣旨の芸術に触れるのか、どんな感性を自らが手に入れるべきなのか、手に入れたいのか。
それは個人によって全く求めるものが違っていいし、それが『芸術』と一括りにされているのだと思う。
また、きっとそれらを提供する側(芸術家、作家、演劇人、その他のアーティストの方々)には、提供したいだけの価値が自分の中にはあると思う。
というより、なければこんなことをしない。
何かを訴えたい、伝えたい、感じてほしい、気づいてほしい。もしくは単純に、自分の作ったものを見てほしい、聞いてほしい、触ってほしい、読んでほしい。
それは言わば提供する側のわがままな欲求であり、なんとも身勝手な思いなのだ。
だけど先述した通り、受け取る側には、それを受け取るべきか否かを考え、判断し、拒否することもできる。その自由は奪えないし、それを持っている限り、提供する側は受け取る側へ押し付けることはできない。してはいけない。
私自身に置き換えて説明すると、例えば何か演劇の公演に自分が出演する際、近しい人にはご案内を送る。
それを「見たい」と判断して下さる方もいるし、「特に見たくない」と判断される方もいる。
「見たくない」と判断された方に、「どうしても来て!お金払ってでも観る価値あるから来て!チケット売らないとヤバイから来て!」と押し付けるのは違うと思うし、私はしたくないのでやらない。
(もちろん、見に来てくださる方がいたらとっても嬉しいし有難い。)
つまり、私たちは何か『生活には不要なもの』を提供したとき、それをわざわざ選別してお金を出してまで買って下さる方がいる、ということを、忘れてはならない。
特に演劇作品であるならば、時間と、劇場に来るまでのご足労と、そしてチケット代と、様々なものの対価として演劇を求められていることを、忘れてはいけない。
感謝と尊敬を忘れず、受け取って下さった方の中に何かを残さなければならない。
演劇作品であれば、「面白かった」「また見たい」「感動した」「笑った」「泣いた」なんでもいい、何かを感じてそれをお得と思って頂ければ、私は役者として舞台に立った甲斐があったと思える。
チケットを売ることを第一に考えるカンパニーも、ある。
大して面白くもない脚本や演出で役者にばかりチケットを売るよう、強要してくる集団も、悲しいことだが実在する。
『客出し』という文化が、お客様に感謝を伝える為ではなく、またチケットを買ってもらえるようにと促す為に根付いている部分も、少なからずある。
やりたい人はやればいい。私はあまり、そう言った営業としての客出しに気乗りしないだけだ。
(なので基本的に「ありがとうございました」しか言えなくなり、「また来て下さい」や「またお会いしたいです」「これからもお願いします」等は言えない。それはお客様がそう感じて下さっていたら嬉しいが、こちらから強要するものではないと思うから。)
話を戻して、あくまで私個人の感覚だが、役者は本当に見てほしいと思える舞台に立てば、勝手にチケットを売るようになるし、なんなら本当に面白そうな舞台なら役者が売らなくても勝手にチケットは売れていく。
この考えが「役者としてのプロ意識が足りない」と言われることもあるだろう。その考えは妥当な評価だと思う。
だけど、「面白いものを提供する側のプロ意識」もそもそも足りないのでは。と思ってしまう。
先述した通り、芸術作品というものは、受け取るか否かを選別する自由が誰にでもある。
私は「この芸術は不要」と判断されたものを、押し付けたくはない。
(もちろん、販促活動はする。SNSへの公開、ご案内の送付、口コミでのお誘い、ビラの配布、出来ることは出来る限りやった上で、の話。)
なんだかつらつらと変な話をしてしまった気がするが、私は、自分が舞台に立って発信側にいる以上、「面白くない」ものを売りつけたくはないので、だったら自分が「面白い」と納得出来る現場に関わっていきたいし、選別する自由を持ったお客様に「見てよかった」と感じて頂ける役者でありたい。
という、結論はそういう話でした。
今回はこの辺で。花岡でした。
【花岡】善と悪【徒然】
先日行った花火大会でのこと。
この花火大会は東京の中でも閑静な河原で行われ、知名度もそんなにないので穴場の花火大会である。
打ち上げ時間は1時間程度、毎年1万発の花火が打ち上がるが、来場者数は35万人程度と少なめ。
都心からは離れているので交通の便は悪いが、『東京の花火大会』にしてはかなりゆったりと観賞できる。
とは言え、やはり35万人が一堂に会すれば、帰りは大混雑である。
花火の打ち上げが終われば、会場に設置された六ヶ所の出入り口に人が殺到する。
その出入り口の横にのみ、ゴミ箱が設置されていた。
殺到した退場者たちは、帰り際にこぞってゴミを捨てる。
しかし大混雑の中、なかなかゴミ箱の前までは直接向かえない人たちも数多くいた。
その中の数人が、土手に設置された簡易出入り口の坂から、ゴミを投げ捨て始めた。
最初は数人、そしてその欠如したモラルはあっという間に広がり、みんながゴミを投げ入れ始めたのだ。
係員は、「ゴミを投げないで下さい!人に当たる可能性があります!危険な行為ですのでお辞め下さい!」と叫ぶ。
しかし【一定の数量】に達したモラルの無さは止まらない。「赤信号みんなで渡れば」状態である。
そんな中、浴衣を着た女性二人組が「ゴミを投げるのは辞めて下さい!」と、ゴミ箱の横から出入り口に向かって叫んでいた。
彼女たちの一人は綺麗な浴衣にシミを作り、恐らく投げられたゴミに当たって汚れてしまったのだろう。
彼女たちは懸命に、大多数の欠如したモラルの塊に対し、たった二人で【正しいモラル】を振りかざして戦っていた。
最終的には、そんな彼女たちを疎ましんでわざと二人にゴミを投げつける人たちもいた。
ここまで来るとこの構図は、もはや【悪VS善】の攻防である。
【悪意】というものは、得てして数量の多いものに深く伝染する。悪意が浸透するのは善意よりも早い。
これだけの数がいれば、みんなやっているんだから、多少後ろめたいことも【普通】の感覚になり、【悪意】に染まる。
一時的な【善意】では人を【善】には出来ない。
だが一時的な【悪意】は、一瞬で人を【悪】と成す。
彼女たちの「ゴミ投げ捨て禁止の叫び」が抑止力を持つようになるには、毎年のようにこの花火大会を訪れ、花火大会の運営側とも連携を組み、ゴミの投げ捨ての禁止を呼び掛け、徐々にその運動の理解と協力の数を増やして行くしかない。
きっと数年単位でかかる一大プロジェクトとなるだろう。
一方でゴミを投げ捨てる人にとってその行為は、たった一夜の少しばかりの悪さだ。
個人個人のほんの少しの悪意が、一夜限りのモラルの欠如が、集まり肥大化し大きな【悪意】となる。
人間とは単純で難しい生き物だなぁ、と思う。
己の一時的な感情の起伏に流されず、常に自分と向き合い続けることが出来れば、こんなに簡単に悪意が剥き出しになることもないのに、そのコントロールが難しい。
だけどだからと言って、自分のコントロールまでをも失いたくはないと思った。
みんながやっているから自分もいい、とか、こんな状況下で善意を振りかざすのは馬鹿らしい、とか、そんなことを考えたり感じたりしない人間でいたいと思った。
悪に気付けば自ずと善も見えてくる。
ただ、それを悪と自覚するかしないかであるとも思う。
私たちはその日、押し寄せる人混みの中、なんとかゴミ箱の前まで辿り着き、ゴミ箱に直接ゴミを捨てて帰路に着いた。
帰りの電車の中、私と同居人は二人でちょっとぷんぷんしていた。