京央惨事「きみがわるい」延期につきまして【鐸木のすり】
HPやツイッター上でご報告させていただきましたが、改めまして、
このたび新型コロナウイルス感染拡大に伴い、京央惨事「きみがわるい」を延期させていただく運びとなりました。
少しでもこの公演に興味を持っていただいていた方々、このために時間をさいてくださっていた関係者の皆さまには心から敬意とお詫びをお伝えしたいと思います。ありがとうございました。申し訳ありません。
しかしながら我らが京央惨事は超小規模団体でしたので、周りへの影響や損失がさほど大きくならず済んだのが不幸中の幸いです。
花岡と丸元の二人芝居というのは、京央惨事が始動して最初にやった演目「隣人の収穫」以来の企画でした。「隣人の収穫」は個人的にとても大好きな作品で、空気感や人間の居方や言葉において京央らしい芝居が作れたぞ!と思った第一発目でした。それから二年ほど時が経ってしまい、ようやっと丸元さんとの共演にこぎつけられたそんな矢先のこの騒動。
タイミングが悪かったとしか言いようがありません。
けれど、我らはそんなに悲観的になっているわけでもなく……というのが稽古が始まる前の段階で決めることができたからというのも大きかったと思いますが……また、体制を立て直してリスタートするまでだと思っています。
そのときまで、しばらくお待ちいただけましたら幸いです。
しかしその一方でお世話になってきた団体が今回のことでとてつもない損害をこうむって泣き寝入りするしかない状態が続いていることは、本当に胸が痛みます。
彼らが文字通り「命をかけて」芝居を作っていることを私はかつて目の当たりにしてきたからです。
お金の問題はもちろんですが、”芝居の熱量”というのはその一瞬一瞬にしかないもので、一度ぷっつり切れてしまったら同じものが作り出せるのか、同じライブができるのか、本当に厳しく難しいものだと思います。そのライブ感を大事にしているのならなお。
でももはやこの最悪のタイミングもかえって作品の運命で、もしかしたらとてつもないパワーを伴って伝説みたいな作品になって戻ってくるんじゃないかなんてことも考えます。
そんな芝居、私はめちゃくちゃ観たいです。
演劇って”瞬間の芸術”だと思うのです。
この瞬間を観るために私はこの劇場に足を運んだんだ、ということが何度もありました。
今回のこともその瞬間の一部となれと思います。
作品が(作り手もお客さんも皆同じく)昇華される日が来ることを願っています。
とりあえずみんな死なないように生きてくれ。
死なない選択肢を選んでくれ。
そしたらまた作れるし、観にいけるから。
弱小団体の者が偉そうなことをいってすみません。以上です。
いち早くこの事態が終息することを祈っています。
京央惨事 鐸木のすり
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YOUTUBEにて京央惨事の作品を公開しています。
もしお時間あれば、観てもらえたら嬉しいです。
■隣人の収穫
(20分くらい。さくっと観れる。女が隣部屋に住んでる好きな男を引き止めてゴミ捨て場で茶をすする話)
■テースターズ
(1時間くらい。とあるマンションの住人たちの会話劇。捨てたいものと捨てたくてもられないものの話)
観劇三昧でも配信中。
こちらは有料になりますが、もしご支援いただけましたら幸いです。