(タイトルは特に決めていない)

京央惨事(ケイオウサンジ)コラム過去ログ書庫。

「おくやみ(仮)」後記と最近のこと【鐸木】

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「おくやみ(仮)」が終わってだいぶ経つ。
ご来場くださったみなさまありがとうございました。
お手伝いくださった皆さんお世話になりました。

実は、おくやみ(仮)の直前に父方の祖母が亡くなりました。
こんなときに「おくやみ」なんて名のついたものをやるなんて(罰当たりかな……)と思ったり、(本当の「お悔み」になってしまった……)なんて思いつつ、けれども「おくやみ(仮)」上演しました。

「おくやみ(仮)」は、ある男の、今の彼女と昔の彼女と彼の妹の話でした。

 

生きてる人と亡くなった人が時折ごっちゃになることがあります。

いや、生きてる人に対して「あれ死んだっけ?」なんて思うことはあまりないですね。大抵思うのは亡くなった人です。「あれ死んだんだっけ?」

いなくなった人が、まだいるかのように錯覚することがよくあります。

 

そういう風に、人との別れと人の死が、ごっちゃになることがあることがあります。
人と別れなければいけない時。例えば恋人などとでしょうか。私は「死」と近い感覚に思えます。よく人が亡くなった時「死んでも記憶の中で生き続ける」なんて言いますが、それは「別れた人」に対しても同じだと感じる。それは時にきれいな記憶だったり嫌だと思う記憶だっり、いずれも全部いいように「美化」されて「いなくなった人」は記憶の中の住人になります。


私は20歳の頃、母方の祖母を亡くしました。
祖母は言ってみれば、育ての親といえる存在でした。とても世話焼きで声が大きくて、よく言えば「過保護」悪く言えば「おせっかい」な人でした。私の中で祖母は、私至上最強に私のことを愛してくれた存在で、なくなった後は半年間、夢に出続けました。
しかし、母の妹の叔母は「親のように思えなかった。死んでも泣けなかった」と言ったのです。私は親戚間でよく、叔母もとても「大事」に育てられていたと聞いたことがありました。(長女である母はけっこう雑だったらしいですが)
私の想像しえない事も色々あったかもしれません。祖母はなんでもはっきり言うし、思ったことは真っすぐな性格だったので。叔母の中で祖母は「頑固でデリカシーの無いおせっかいばばあ」でしかなかったのかも。
同じ人物も、こんなにも人によって「記憶の中」では違うのか。
叔母の中では「おせっかいばばあ」として私の中では「育ててくれた母」として、
亡くなった祖母は今もそうやって生かされています。

でもこれもきっと、私の中でかなりの美化がされているのでしょう。

 

父方の祖母もこれからは記憶の中の住人となります。

良く笑うかわいいおばあちゃんでした。

 

祖母を例に出しましたが、昔付き合っていた人もこんな風に良い思い出(色んな意味で)として私の中に蓄積されています。
なんか、すごいドラマティックなことだったような記憶もあるのですが、きっとそれも、都合よく劇的に改変されているような気がしてならないのです。

 

「おくやみ(仮)」ではそういう部分をピックアップしていたような気がします。


作品語りなんてしてしまいました。

 

さてさて、
今は京央惨事とはまた別の場所にいます。


かわいいコンビニ店員飯田さん「手の平」

 

ENBUの先輩である池内風さんに声をかけていただきまして、演出助手という立場で関わらせてもらっています。
28歳にして最年少という現場。一方的に知っている方々ばかりで一体どうしたらという心境だったんですが、先輩方の力量はやはりすごくって刺激的な現場です。じっと目をこらし、日々何か盗めないかと企んでいます(→ただ黙々と席に座ってるだけ)

「手の平」家の立退きの危機と直面している家族たちのお話です。

役人という立場から自分の実家を立退きさせなければいけない長男の涼の葛藤。父、秀明の家への思い。それと田舎特有の家族たちのあたたかみが魅力的な作品です。

絶賛稽古中です。ぜひチェックを。

iidasan.xyz

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花岡さんとは、最近あまり会えていないのですが、よくよくラインが飛んできます。
ここんところ厄日が続くらしく「ちくしょう、ちくしょう」って感じな日々らしいです。
今はどうだろう。優しくしてあげてください。

夏が終わってるのか、秋が来ているのか、冬に切り替わってるのか、良く分からない気候が続きます。
暑いより寒いの方が好きな私は、寒いの率が増えていてテンションが上がってきています。雨だと息が出来なくなりますが。

 

とりとめもなくなってきたところで、今回はこの辺で。
次はですます調じゃないコラムにしたい。

こんな感じで当分はお互いに会えないので、交換日記みたいなことをしていきます。
私もここで花岡さんの知らない近況を知ったりするのかもしれません。

 

それでは花岡さんへバトンを廻します。

次のお題は「母」