(タイトルは特に決めていない)

京央惨事(ケイオウサンジ)コラム過去ログ書庫。

話題:飲みに行きたい vs 行きたくない

 

南帆子:(ザクザク)このクラッカーうまいね……。*1

のすり:でしょ。まだあるよ。

南帆子:くれ。


* * * * * * *


南帆子:なんかさ、まあ、演劇の稽古中とかにさ。飲みに行く機会もあるわけじゃないですか。

のすり:よくありますね。この業界は。

南帆子:でさ。鐸木さんさっき*2話したように……そういうのに参加したとしても、早く帰りたい?

のすり:まあまあまあ、終電では帰りたい。

南帆子:でも参加はするってことだよね。

のすり:参加は……まあ、ね、する。

南帆子:その、きちんとしたさ例えば顔合わせだったりとか懇親会とか。そういう名目のない「ちょっと仲の良い人、時間がある人、まあちょっと余裕のある人、だけで飲みに行こうよ」って流れになったときには、どうする?

のすり:うーん。

南帆子:その流れが、じゃあもし京央の稽古中にあったとして。『飲みに行く演出家』ですか? 『飲みに行かない演出家』ですか?

のすり:例えば、初めての顔合わせですって時とかは行くと思う。ただ稽古毎に「じゃあ帰り飲みいくか!」は、ないかな。

南帆子:行くは行く、と。

のすり:行きたい?

南帆子:そういう流れになったとしたら、行きたい。

のすり:じゃあもう、京央の飲み会番長は花岡さんということで(笑)

南帆子:そうするとさそうするとさ! 私が話を回さなきゃいけなくなっちゃうと思うんだけどさ。

のすり:うん。

南帆子:私話回せない人だからダメね。

のすり:そんな普段ベラベラ喋っといて!*3

南帆子:いや、よく鐸木さんからも言われるじゃん、「お前自分のボケ自分で回収しろよ」って。「散らかすだけ散らかすんじゃねぇ!」みたいな。

のすり:言いますよ! ボケばっかかまして拾うのこっちなんだもん。

南帆子:やっぱりボケにはツッコミがいないとさ、ダメだから。

のすり:結局尻拭いで行くんじゃん! いやだよ! だから嫌なんだよ!

南帆子:ごめんねぇー。

のすり:……まあそれはね、冗談ということにして。

南帆子:しといてあげて。

のすり:いやでも正直最近、お酒そんなに飲めないので。飲みに行くっていうハードルが割と高いんですよ。

南帆子:私も弱いけど。たまにね、他の座組とかで。「飲みに行こうよ」ってなったときにさ。「率先してくる主宰」と「やめとくわーって側の主宰」がいるじゃん。割と私、今までは、「率先して主宰が飲みに来る座組」の方が、役者同士が仲良くなりやすいなって思ってたのね。思ってたんだけど。割と関係ねぇなって最近、思ってきまして。

のすり:それは?

南帆子:主宰が来ようが来まいが、結局役者同士で仲良くなれば役者同士でいつまででも続く仲になるし。……あと思ったのが。

のすり:うん。

南帆子:役者がね、飲みの席にわーっといるでしょ。そこに主宰がいると……いちゃいけないわけでは決してないんだけど、そこに主宰がいることによって、「あ、お気に入りの役者集めたんだな」っていう……「やっぱりこの人たちがお気に入りなのね」っていう、そういう、目が。入りつつある、私。

のすり:ちょっと公私混同してるなっていう。

南帆子:そうそうそう!

のすり:「個人的に仲良くなりたいな」っていう主宰の。

南帆子:そう、仲良くなりたい人たちを、その、はべらせてるように、見えてしまわなくもない、というか。

のすり:うん。

南帆子:結局、座組が公演終わって解散します、じゃあまた集まりましょうよ! ってなったとき。その私的な飲み会に、主宰がいるかいないかって、結構重要だと思うんですよ。そこに主宰がいると「主宰の私的な飲み会」というか。

のすり:「主宰と仲間たち」みたいな画になるよね。

南帆子:そうそうそう! 

のすり:結局そうなると「主宰をちょっと立てなければいけない」みたいな空気あるよね。

南帆子:主宰に人間であるなと言わないので、私も。本当に主宰と仲の良い役者さんがいて、本当に仲良くやっている関係、であるのであれば、それはそれで、良いとは思うんですけれども。素敵なことだと思うんだけど。……結局、それを外から見ている人間だよね。「あ、やっぱりお気に入りの役者を今度も使うんだな」みたいな。

のすり:その感じね。

南帆子:仕事というか友達と演劇やってる感覚に、外からは見られちゃいがち。

のすり:(役者と演出家の)距離が近過ぎちゃうっていうのも、考えもんだよね。私が飲み会に行く理由って、座組のメンバーのその「人」を知る機会として参加したい。だからもうね、「飲み会が楽しいから」っていう動機じゃないと思う。

南帆子:はいはい。まあだから……信頼出来るんですよね。外から見たときに、って話になっちゃうけれども。「飲みに行きたがらない主宰」がキャスティングしてくれた方が「あ、この人は私を役者として見てくれているんだ」って、気持ちにならない? 

のすり:ほー。

南帆子:逆に、良く飲みに行く主宰から、「今度も出てよー」って言われたら……「あ、私的な……」って。

のすり:役者力を見てくれたわけじゃなく。「なんか一緒にいると楽しいから出てよー」みたいな。それもありっちゃありではあるが。

南帆子:結局、主宰としてはさ。座組の輪を作る、っていう目的のために、例えば座組の中に明るい空気読める役者をキャスティングしようっていう、策略みたいなものも、あってもいいとは思うの。なんだけど、そういう風に見られがちな人、って損してるなって思う。仲良しこよしで演劇やってるんだろうな、って。

のすり:結局、面白ければ良いんだけどね。でもね、飲むために芝居してんのか、芝居のために飲んでんのか、分かんなくなったらね。それは嫌だ。


* * * * * * *


のすり:酒入るとどうなりますか? 酔っぱらうと。

南帆子:酔っぱらうと……にこにこしてる。私。

のすり:にこにこしてる。機嫌良くなっちゃうんだね。

南帆子:機嫌良くなっちゃう。

のすり:私ね、機能が停止するんですよ。酒飲むと。

南帆子:あー、はいはいはい。

のすり:分かります?

南帆子:身体的な機能がね。

のすり:そう、眠くなっちゃったりとか。あと喋りたくなくなっちゃう。眠くなる、喋りたくなくなる、何もしたくなくなる、っていう。

南帆子:行動意欲が。

のすり:そう行動意欲が。エネルギーがすーんって落ちちゃう。だから酒飲まない方が良いんですよ、どっちかっていうと。

南帆子:そうですね。

のすり:だから、あんまり酒の力に頼れないっていうのがあるんですけど。ただ、ただ……真面目な話をする時に酒が入ってる人の話を信用しきれないんですよ、私。

南帆子:あー分かる! 酒飲んでさ、ものすごい、熱くなる人いるでしょ。熱くなって演劇論語って、「俺は演劇ってこう思ってるんだ!」って、言う人いるでしょ。黙れって思う!

のすり:(爆笑)

南帆子:「黙れ」は言い過ぎかもだけど。

のすり:いやでもね分かる。

南帆子:酒の力を頼ってしか喋れない人は信頼できない。

のすり:信頼できないね~。

南帆子:本当に。

のすり:「なんでそんな重要な話をここでする!?」って時もあるし。

南帆子:そうそうそう。でも、逆に。逆にだよ? 飲み会の席でしか話せないってこともあるじゃん。こう、稽古場とかでは話しにくいけど、例えばだけど、今後京央としてやっていく上で。「稽古場では言いにくいけど、今だからちょっと話してくれる?」っていう場とがさ。

のすり:あー。

南帆子:結局飲み会だと誘いやすいわけですよ。ちょっと話そうよって。

のすり:でもね、分かる。それは、ある。「実はこう思ってた」っていうのは、確かに飲みの席が言いやすい。役者同士。でもそこに主宰がいたら言いづらくない? 

南帆子:(鐸木が)行きづらい?

のすり:役者同士で飲むのがいいよやっぱ。

南帆子:分かりました、私が行きましょう。*4

のすり:おおおおお。

南帆子:まあだから、例えばね。役者だから、どん詰まっちゃう時もあるわけじゃないですか。「もう分からない!」「上手くできない!」って時に、主宰が、圧力かけてくるのは良くないと思う。でも主宰が、あまりにもフランクすぎて、「あーそれでいいよー」ってなっちゃうのも良くないじゃん。その距離感ってあるじゃん。そのタイミングで下手に主宰が飲み会とかに誘っちゃった時にさ、「あ、自分は別にこの主宰に気に入られてるからこのままでいいんだ」って、思われるのも心外じゃないですか。そういうときには……私がやりますよ。

のすり:さすがでございます。飲み会番長。

南帆子:私がやります。

のすり:私がその、おそらく「私的な飲み会」に、率先して自分から「行きたいです!」ってなるのって、たぶん、1年くらいの時間をかけなきゃいけないと思う……。

南帆子:おー……。

のすり:1年くらいはその人たちと行動を共にしないと、そうなれない気がする。

南帆子:飲み会は人類共通・万人共通・全人類共通の「楽しいこと」だと思ってるから。それが森羅万象の理だと思っている。*5

のすり:そんなに!?


*******


のすり:飲み会後のカラオケがもうしんどくてしょうがない。

南帆子:なんで?

のすり:たぶん、体力の問題なんだけど。

南帆子:酒飲まなくていいからカラオケ行ってりゃ良い。

のすり:カラオケって喋れないじゃん、だって。私が飲み会に行くとしたら、喋りたいからだから。

南帆子:逆に、飲み会あるでしょ? 喋るでしょ? で、喋ることなくなったとするじゃない? 手っ取り早く盛り上がるのは、カラオケですよ。

のすり:盛り上がらなくて良くない?

南帆子:だって、喋ることが特にないから0時で帰るんでしょ?

のすり:そうではない! キリの良さがちょうど良いだけであって。「喋ることねぇからつまんねぇや」で切るわけではない!

南帆子:最初っからカラオケだったらいいってこと? 飲み会ってわけではなくて、その日の予定が「カラオケ一緒に行こうよ」って予定であれば、行くってこと?

のすり:(ぐっ)う、ん……? まああの、カラオケに行きましょって会だったら、それはまあ、カラオケの日だよ。ただ、飲み会からカラオケ行く人たち、マジで体力あんなって思う。元気だなーって。

南帆子:体力の問題な。

のすり:私もうへとへとだもん。例えば3日くらい公演しました→終わりました→バラしました→打ち上げ行きます→飲みます→その後カラオケオールって、すごくないこの体力! いつ休んでるの?

南帆子:だって、飲み会とカラオケはそんな一生懸命やってないもん。

のすり:そうだけどさ。カラオケってすごい消費するじゃん。散々さ、公演でワー喋って、打ち上げでもワー喋って、この上さらに歌うんすか!? みたいな。その体力たるやすげーなと思う。私もう死んでるよ。

南帆子:だから手っ取り早いんだって。

のすり:もう盛り上がらなくていいよー。公演終わったんだから。

南帆子:だから寂しんだって。

のすり:寂しい……。「お祭り」を最後まで楽しみたいのね。

南帆子:祭りの余韻をずっとね、味わっていたい。

のすり:でも0時で帰ろうよってなるわ。

南帆子:「やー寂しいー!」ってなる。

のすり:帰れよ……!

南帆子:えー。

のすり:まあまあまあ、祭りが終わるのはいつでも寂しいですけどね。

南帆子:寂しいですけどね。

のすり:いやでもね、言いたい。飲み会が、そんなに好きじゃないって人、いっぱいいると思うんですよ。

南帆子:いると思うよ。

のすり:演劇界や業界=飲み会で繋がってるみたいなところがあると思う。その流れ、確かに出来上がってるけども。私は、それだけじゃないと言いたい。飲み会に行かなくてもやっていける。っていう風にしたいです、京央惨事は。だから、世の中の飲み会がそんなに好きではない仲間たち。 そんなに無理して飲み会に行くなと。私はこの場を借りて。

南帆子:はいはい(笑)

のすり:ただ、お付き合いはね、上手いことやっとけ。

南帆子:お付き合いはね、大事。

のすり:飲み会に行かないからノリ悪いなっていう感じ、最近あんのかな?

南帆子:人による、かも。

のすり:ちょっと前までは、そう思われるのが私は嫌で。基本的に断らないっていうことをしてたんだけど。でも無理してまで行く飲み会なら行かなくていいし、そんな無益な飲み会ったらないですよ。……まあ楽しかったら行くべきだと思う。楽しいなら良いと思う。

南帆子:楽しい。

のすり:楽しいなら行こう、飲み会。

南帆子:あ、でも一番いいのは、ファミレスです。

のすり:あーファミレス!!

南帆子:ファミレスが良いです、私は。

のすり:だったら最初っからファミレスでよくない?

南帆子:うんだから、最初っからファミレスがいい私は。

のすり:じゃあ最初っからファミレス行こうぜ!

南帆子:最初っからファミレスにしよ! だって、食えるし、ドリンクバーあるでしょ。

のすり:飲みたい人は、ファミレスの酒飲んでもらって。

南帆子:酔いたい人は酔えばいい。

のすり:酔いたい人はね。

南帆子:それが一番。それがいい。

のすり:そうしよう。

南帆子:すかいらーく系のね。*6

のすり:そうしよう、もう。ファミレスに行こう。

南帆子:京央惨事の打ち上げは、

二人:ファミレスです。

のすり:イエス

南帆子:イエス

のすり:だからまあ、余韻はファミレスで。

南帆子:ファミレスで。

のすり:ファミレス行こう。

南帆子:ファミレス行こう。

のすり:そうしましょう。

 

 

~飲みに行きたい vs 行きたくない おわり~

 

 

↓以下、脚注↓

*1:クラッカーを餌付けされている花岡。前回のその後です。

*2:前記事『帰りたいvs帰りたくない』参照。

*3:このコラム花岡の方が格段にしゃべってるよ

*4:就任しました。

*5:飲み会は人類共通・万人共通・全人類共通の「楽しいこと」。それが森羅万象の理。奇しくも名言だと思う

*6:ファミレスチェーンでおなじみグループ会社。我らはもっぱらガスト。ガストとジョナサンの間にはなにか階級の壁があるなと感じている。最近「すかいらーく」ってないよね